Koichi Mitsuoka

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「ホームレスの集合住宅」

まだ建築学科の学生だった大学2年生の時の作品。
というより課題で提出した模型と図面。
この時の課題はたしか、与えられた土地に6世帯分の集合住宅を設計せよ、みたいな条件だった。
それで僕はその土地に6人のホームレスを誘致して自由に暮らしてもらうというプランを提出した。

愛知から上京してきて最初に気になったのはホームレスの存在だった。
地元では見た事が無いし、すごく存在感があるのにみんなが何となく見て見ぬふりをしているのも不思議だった。
とにかく何か知りたくて新宿の炊き出しの手伝いをしてみたり、遠くから見ていたり、どきどきしながらBIG ISSUEを買ってみたりしていた。

そのうち、雨風や外敵から身を守るのが建築の原点だとしたらおじさん達が手作りで作っている家々は正に建築の原点なんじゃないかと感じ始めた。
そうするとものすごく純粋なモノに見えてくる。人が持つ住みたいという欲求が結晶化した様な。

という考えの元、当時の未熟な自分なりに真剣に建築の事を考えて提出した課題だった。
だが先生には全く相手にされず「君のやっている事は建築じゃなくてアートだね。」
と言われてしまった。
この課題のおかげで、「じゃあアートってなんだ?」という事を考え始めるようになった。