Koichi Mitsuoka

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芸術劇場の目の前にある池袋西口公園は若い頃の窪塚や長瀬が出ていてかなり流行ったドラマ
「池袋ウエストゲートパーク」の舞台になった公園で、ドラマから20年近く経った今でも
池袋の象徴的な場所として生きている。
この作品はそんな西口公園のすぐ隣に建つ東京芸術劇場のギャラリーで企画された展覧会で行ったものだ。
会場の下見がてら初めてここに来たときも、ミュージシャンやホームレス、大学生、
昼から路上で酒を飲んだり、寝ていたり、何もせずぼーっとしている人達がのんびり
過ごしていて、何だかいいなと思った。
そんな中で一際目をひいたのが路上で将棋を指しているおじさん達だった。
自分は将棋は全くやらないのだが、そのちょっと異様な光景になぜかとても惹かれた。
その時は緊張して話しかけることができず日を改めて話を聞こうと思い、後日再度を訪れると、
公園一帯にフェンスがはられていた。
東京オリンピックに向けて池袋でも開発がすすみ、西口公園には新たに野外劇場が
建設されることになり、その工事が始まっていたのだ。
勿論公園には入れなくなっており、将棋のおじさん達もいなくなっていた。
あの光景がもう見れなくなってしまうのが残念だと思った。
できればあのおじさん達に将棋を習いたかった。
そこで展示期間中の束の間ではあるが、逆に劇場内に将棋場をつくり
公園で指していたおじさん達や劇場に来た人たちに使ってもらった。
おじさん達は毎日展示開場と同時に来てくれて、僕に将棋を教えてくれた。(結局最後まで一回も勝てなかった。)
展示に他の作品を見に来た人も(グループ展だったのですぐ隣には絵画や彫刻作品が飾られていた)
よく分からないままおじさん達と将棋を楽しんでいた。