Koichi Mitsuoka

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わたがしが空を飛ぶ。
そんな事が起こる日もある。










これは京都府の京田辺市という町に滞在していた時につくったものだ。
このわたがしは、滞在していた一軒家のすぐ隣にあった千歳屋という今年の5月に閉店するまで、
京田辺で55年間営業してきた駄菓子屋のおばあちゃんからお借りしたわたがし機で作っている。
そしてそのすぐ裏には天井川があった。
天井川とは砂の堆積による川床の上昇と、氾濫を防ぐため周りの堤防を高くするというのを
何百年も繰り返し続けた事により、川床が屋根よりも高いところを流れている、
正に天井の川である。

天井川の土手を歩いて来た人が設置されたベルを鳴らすと、向いにある自分が滞在していた家の
2階の窓が開き、わたがしが空を渡ってやってくる。

千歳屋、天井川、そして滞在させてもらったお家。
たまたま全てが隣同士にあった。

















何十年間も隣同士にあったのに出会う事のなかったもの達がたまたま出会った時、
わたがしが空を飛んだりするのだろう。