Koichi Mitsuoka

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ポポー

マンゴーとバナナとパイナップルを足して割った様な味。
プリンの様な舌触り。
5月に咲く花はチョコレート色。

よそから来た自分がよそから来た果物を育てる。
京田辺の人たちはポポーを気に入ってくれるだろうか。
ポポーはここで元気にやっていけるだろうか。


この作品は京都府の京田辺市という町に滞在していた時に作ったものだ。
全国各地で行われているアーティストインレジデンスだが、作品をポンと置いて帰るのは
寂しいなと思い、何かその土地にゆっくり根付くものが作りたいなと考えていた。
その時ポポーというおかしな名前の果実を見つけた。
北米原産で日本でも戦後に少し流行したようだが、
実が1週間程しかもたないので結局今では幻の果実とも呼ばれているらしい。
ポポーの実がいつか生ったら京田辺の人たちと一緒に食べたいと思った。




展示のチラシが町に配られてすぐ、喋った事のないお隣さんから電話がかかってきた。
なんとお隣のおじさんも自分の畑でポポーを育てていると言うのだ。
自分のポポーの苗とその畑に行き、兄弟ポポーと記念写真を撮った。





ポポーの苗はなかなか珍しいのでどうやって手に入れたのかお隣さんに聞くと、
近所に3m級のポポーを10本程育てているおじいさんがいて、その方からもらったと言うのだ!
実際に会って話を聞いてみるとそのおじいさんは、もうこの町で10年以上も前からポポーを育てていて
毎年実が生ると近所の方々に配っているらしい。
実の足がはやい関係で京田辺市の田辺北川という狭い地域だけでポポーがとても出回っているという事実を知った時は驚いた。
自分は何となくポポーを選んだのだが、来るべくして来た様な、なにかこの地域に受け入れられた様な感じがしてうれしかった。
僕の持ち込んだ苗はお隣のおじさんの畑で育ててもらうことになった。
チェリーとアボカドの木の傍に植えてくれたらしい。