宇多田ヒカルのPVが作りたいという一心で美大を目指し、
ムサビの建築科に入学した(そこしか受からなかった!)
そしていろいろあって2年生の時、東京の下宿先から愛知の実家まで
徒歩で帰ったのをきっかけに油絵学科に転科して、
そこからずっとパフォーマンス作品の様なものを作っていた。
頭ではなく体が直に何かを実感する体験は自分にとって一番たしかなものだった。
大学院にはいって写真を始めたのだが、これが全然上手くいかなかった。
たったシャッターボタン一つを押すだけで写真はいとも簡単に何もかもツルっと写し出してしまったのだ!
現れたイメージは自分の体からポーーーーーーーーーーン!と抜け飛び去り、
いつも体は置いてかれてしまっていた。
自分が何を撮っているのか、そこに何が写し出されているのか、いつも分からなかった。
そこで、撮った写真を絵におこすということを始めた。
手を動かせばその様に線が残るという単純で力強いたしかさは写真には無い体の実感を強く得ることができた。
自分にとって描く事は、写真に置いてかれた体を動かし、追いつこうとする行為だった。
そうやっていつも写真と絵は同時に存在していた。
そしてついに写真の上に描きだした。写真を追い越したかったのかもしれない。
いつのまにか写真がちょっと好きになっていた。
写真がいろんなところに連れて行ってくれたし、沢山の出会いをもたらしてくれた。
今ではポーーーーーーーーン!とイメージが抜け飛ぶのも楽しんでいる。
むしろそこがお前のイイとこだよ!!!
サンキュー写真!!イエーーーーーーイ!!!◎

2016 1 21

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今とちがう!それもまあよい!

2018 8 16